業績悪化の兆候

     
    売上が減少すると業績は悪化の傾向があります。
    中小企業であろうと大企業であろうと万国共通です。
    
    中小企業の場合は 法人税を回避する為に 会社の利益が少しだけ出るように
     役員報酬などが 定時株主総会で決定されているため 
     僅かな売上の減少でも赤字となる決算書が生まれる下地ができあがっています。 
     期中で役員報酬を減額することは法人税法の規定が邪魔をします。

    そこで社長は決算期が近づくと利益を出そうと工夫します。
     最終的には 前年と同額の利益になるように粉飾決算されることになります。

    上場企業の場合が粉飾決算した場合は社会問題となり、会社の存続すら危なくなりますが
    中小企業の場合は実務上は何の問題にもなりません。税務署も粉飾決算は見て見ぬふりです。
   
    中小企業の場合は悪い決算のままだと融資がスムーズに行われず、資金繰りが怪しくなって
    会社の存続も危なくなります。

    この場合の社長の行動は 銀行対策のために 前年と同様の利益になるように工夫した結果 
    利益操作を行います。
    次に翌期の役員報酬を減額させて利益操作を解消させようと努力します。
    軽い利益操作によって赤字を回避するのです。
    
    この利益操作が悪いかどうかは別にして、
    結果的に社長が粉飾決算に手を染め始めるきっかけになります。

    軽い利益操作は翌期には解消されますので財務分析でも発見することは難しく
    貸借対照表にも利益操作の痕跡を軽微にしか残しません。
     翌期に解消できるような粉飾決算は誰にも気づかれません。
  
    注意したいのは
    社長は軽い利益操作から結果的に粉飾決算手を染め
    粉飾決算に慣れしまい、会社の危機に面した場合にも粉飾決算を行い
    無理に会社を存続させ   
     会社をたたむタイミングを見誤ることがあります。